仕事や育児で忙しい毎日を送る中で、週末にまとめて料理をしておく「作り置き」は、私たちの食生活にゆとりと健康をもたらしてくれる心強い味方です。
平日の調理時間が短縮され、食費の節約にも繋がるなど、そのメリットは計り知れません。
しかし、その一方で「作ったおかずは一体いつまで食べられるの?」「この保存方法で合っているのかな?」と、保存期間や衛生面での不安を感じたことはありませんか?
実は、作り置きには正しい保存の知識が不可欠です。
方法を誤ると、美味しさが損なわれるだけでなく、食中毒のリスクも高まってしまいます。特に、カレーや煮込み料理に潜む「ウェルシュ菌」は、作り置きをする上で知っておくべき重要な存在です。
この記事では、料理のプロである家事代行サービスの視点から、作り置きを安全に、そして美味しく楽しむための徹底ガイドをお届けします。
代表的な作り置き料理12種類の具体的な保存期間と長持ちさせるコツ、そして食中毒を防ぐための重要なポイントを詳しく解説します。
正しい知識を身につけて、毎日の食卓をもっと豊かに、もっと安心して楽しみましょう。
作り置きを成功させるための「3つの鉄則」

個別の料理について解説する前に、すべての作り置きに共通する基本のルールを確認しましょう。この3つの鉄則を守るだけで、おかずの鮮度と安全性が格段に向上します。
徹底した衛生管理
- 調理前: 石鹸で丁寧に手を洗いましょう。まな板や包丁、菜箸などの調理器具、そして保存容器は、使用前によく洗い、可能であればアルコールスプレーなどで消毒すると万全です。
- 調理中: 肉や魚などの生鮮食品は、中心部までしっかりと加熱(75℃で1分以上が目安)し、食中毒菌を死滅させましょう。
素早い冷却で菌の増殖を防ぐ
調理後、料理を常温で放置するのは絶対にNGです。食中毒菌が最も増殖しやすい温度帯(約20℃~50℃)をいかに早く通過させるかが、日持ちをさせる最大のポイントです。
清潔な容器で、空気を遮断して保存
保存容器は、雑菌が入り込まないよう密閉性の高いものを選びましょう。ガラスやホーロー製の容器は、傷がつきにくく匂い移りもしにくいのでおすすめです。
おかずを詰める際は、1食分ずつ小分けにすると、食べる際に全体を汚さず衛生的です。保存袋に入れる場合は、できるだけ空気を抜いてから口を閉じましょう。
【料理別】人気作り置きおかずの保存期間と長持ちのコツ

それでは、具体的な人気おかず12種類について、それぞれの保存期間の目安と美味しさを保つためのコツを見ていきましょう。
料理名 | 冷蔵保存の目安 | 冷凍保存の目安 | 保存のコツと注意点 |
---|---|---|---|
1. ハンバーグ | 2~3日 | 3週間~1ヶ月 | (焼いてから冷凍がおすすめ) ・粗熱を取り、1個ずつラップで包んでから密閉袋へ。 ・タネのまま冷凍する場合は、空気を抜いて成形し、約2週間で使い切る。 |
2. 鶏の唐揚げ | 2~3日 | 2~3週間 | ・揚げたての粗熱が取れたら、キッチンペーパーで余分な油を拭き取り、重ならないように並べて冷凍。 ・温め直す際は、電子レンジ+オーブントースターでカリッと感が復活。 |
3. 豚の角煮・煮豚 | 3~4日 | 3週間~1ヶ月 | ・煮汁ごと保存容器に入れることで、パサつきを防ぎしっとり感が持続。 ・煮卵は日持ちしないため、食べる直前に作るのがおすすめ。 |
4. 筑前煮 | 3~4日 | 3週間~1ヶ月 | ・こんにゃくや筍は食感が変わりやすいため、冷凍する場合は取り除くか、細かく切る工夫を。 ・煮汁ごと冷凍すると味が染み込み、乾燥も防げる。 |
5. きんぴらごぼう | 4~5日 | 3週間~1ヶ月 | ・水分をしっかり飛ばすように炒めるのが日持ちさせる最大のコツ。 ・唐辛子や濃いめの味付けには、菌の繁殖を抑える効果も。 |
6. ひじきの煮物 | 3~4日 | 3~4週間 | ・きんぴら同様、煮汁を煮詰めて水分を飛ばすことが重要。 ・冷凍する場合は、小分けカップに入れておくとお弁当に便利。 |
7. ポテトサラダ | 2日 | 不向き | ・じゃがいも以外の具材(きゅうり、玉ねぎ、ハム等)が生のため傷みやすい。 ・取り分ける際は必ず清潔な箸やスプーンを使う。 |
8. ミートソース | 4~5日 | 3週間~1ヶ月 | ・最も注意が必要な作り置きの一つ。 ・玉ねぎや人参をしっかり炒めて水分を飛ばす。 ・粗熱が取れたらすぐに冷蔵、冷凍へ。常温放置は厳禁。(後述のウェルシュ菌参照) |
9. ほうれん草のおひたし | 2日 | 2~3週間 | ・茹でた後、水気をこれでもかというほどしっかり絞るのが最重要ポイント。 ・醤油やだしで和える前の「茹でただけ」の状態で冷凍するのがおすすめ。食べる直前に味付けを。 |
10. 魚の煮付け | 2~3日 | 2~3週間 | ・しっかりと火を通し、濃いめの味付けにすると日持ちしやすい。 ・保存容器に煮汁と一緒に入れる。 |
11.煮卵 | 固ゆで4~5日・半熟2~3日 | 不向き | 卵全体が漬け汁につかるようにする。量が少ない場合はジッパー付き保存袋を使って空気を抜きながら口を閉じれば、少ない漬け汁でも全体に味を染み込ませられる。 |
12.野菜マリネ | 火を通した野菜4~5日・生のまま固い野菜3~4日・水分の多い生の野菜1~2日 | 不向き | ・お酢を効かせるとより日持ちしやすくなる。 ・酸っぱいのが苦手な場合は過熱して酸味を飛ばしたりはちみつや砂糖を加えて調整。 ・生の野菜は塩もみした後念入りに水けを拭き取る。 ・きゅうりやトマトなど水分の多い野菜は、時間が経つと水分が出てマリネ液が水っぽくなり、味や食感が落ちやすいので早めに食べきる。 ・酸に強いガラス製やホーロー製、陶磁器の容器が最適。 |
見えない恐怖「ウェルシュ菌」の危険性を知っていますか?

作り置きの中でも、特にカレーやシチュー、ミートソース、煮物といった「大鍋でたくさん作る煮込み料理」には、ウェルシュ菌による食中毒のリスクが潜んでいます。
ウェルシュ菌は、人間の腸内や土の中など、どこにでもいるありふれた細菌です。この菌の厄介な点は、熱に非常に強い「芽胞(がほう)」という殻を作ることです。
ウェルシュ菌食中毒の発生メカニズム
- 加熱しても生き残る
調理で加熱しても、芽胞の状態のウェルシュ菌は死滅せずに生き残ります。
- 酸素が苦手
ウェルシュ菌は酸素の少ない環境を好みます。カレーやシチューのように粘度の高い料理の鍋底は、空気が少なく菌にとって絶好の増殖場所となります。
- 最適な温度で急増殖
料理がゆっくり冷めていく過程で、43℃~45℃の至適温度帯になると、芽胞から目覚めた菌が爆発的に増殖します。
- 再加熱しても…
食べる前に温め直しても、一度増殖したウェルシュ菌が作り出した毒素は分解されず、食中毒を引き起こします。
この特徴から「一晩寝かせたカレー」は、美味しさが増す一方で、食中毒のリスクと隣り合わせなのです。
ウェルシュ菌から身を守るための徹底対策
- とにかく早く冷やす
調理後は鍋のまま放置せず、すぐに底の浅い清潔な容器に小分けにしましょう。
- かき混ぜながら冷やす
容器の底を氷水などに当て、かき混ぜながら冷やすと、危険な温度帯を素早く通過できます。
- 保存は冷蔵・冷凍で
粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫または冷凍庫へ入れましょう。
- 再加熱は中心までしっかり
食べる際は、鍋に移して全体をかき混ぜながら、中心部までグツグツと十分に加熱してください。電子レンジの場合は、途中で一度取り出してかき混ぜ、加熱ムラを防ぎましょう。
正しい知識、でも「面倒」「不安」…そんな時はプロを頼る選択肢

ここまで、安全な作り置きのための知識を詳しく解説してきました。
「衛生管理や温度管理って、思ったより気を使うんだな…」 「忙しい中で、ここまで徹底するのは正直難しいかも…」 そう感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
作り置きは、確かに時間と心にゆとりをもたらしてくれますが、そのためには相応の手間と知識が必要です。特に、共働きのご家庭や小さなお子様がいるご家庭では、衛生管理へのプレッシャーはさらに大きくなるでしょう。
もし、あなたが作り置きのメリットは享受したいけれど、手間や衛生面での不安を感じているのなら、家事代行サービスに「作り置き」を依頼するという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
家事代行サービスに作り置きを任せるメリット
- プロによる徹底した衛生管理
専門的な研修を受けたスタッフが、厳しい衛生基準のもとで調理を行うため、食中毒のリスクを心配する必要がありません。
- 栄養バランスの取れた献立
ご家庭の好みやアレルギー、栄養面でのご要望をヒアリングし、管理栄養士監修のレシピや経験豊富なスタッフがバランスの取れた献立を提案・調理します。
- 面倒な工程はすべてお任せ
献立の考案から、買い物、調理、そして後片付けまで、一連の作業をすべてお任せいただけます。あなたが費やす時間は「ゼロ」です。
- 生まれた時間で、心豊かな毎日を
作り置きをしていた時間、献立に悩んでいた時間がまるごと自由になります。その時間で、家族との団らんを楽しんだり、趣味に没頭したり、ゆっくりと休息を取ったり…あなたの毎日が、より一層豊かなものになるはずです。
まとめ
作り置きは、正しい保存期間と方法を守ることで、日々の食生活を豊かにしてくれる素晴らしい知恵です。おかずを長持ちさせる基本の鉄則を守り、特にウェルシュ菌のリスクが高い煮込み料理には細心の注意を払うことで、安心して美味しい作り置き生活を送ることができます。
そして、「もっと手軽に、もっと安心して作り置きを取り入れたい」「料理の負担から解放されたい」と感じた時は、どうぞ私たち家事代行サービスを頼ってください。
プロの技術と知識で、あなたの食卓と暮らしを力強くサポートいたします。
正しい知識での「自炊」と、プロに任せる「家事代行」。この二つの選択肢を賢く使い分けて、あなたとご家族の毎日が、より健やかで笑顔あふれるものになることを心から願っています。
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