低温調理で肉料理が変わる!失敗しない温度管理と鶏・豚・牛のおすすめレシピ

ママット!コラム

「お家で作るお肉料理が、どうしてもパサパサになってしまう」 「お店で食べるような、しっとりジューシーなローストビーフを作ってみたい」

そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、近年注目を集めている「低温調理」です。

専用の調理器(低温調理器)も普及し、家庭でも手軽に挑戦できるようになりました。しかし、低温調理は正しい知識がないと、食中毒などのリスクも伴います。

今回は、家事代行サービスで料理を担当するプロの視点から、低温調理のメリット・デメリット、絶対に守るべき安全のルール、そして鶏・豚・牛それぞれの絶品レシピを徹底解説します。

低温調理とは?なぜお肉が美味しくなるのか

低温調理とは、食材を耐熱性の袋に入れ、真空(に近い)状態にした上で、湯煎で一定の温度を保ちながら長時間加熱する調理法のことです。

通常、フライパンやオーブンでの加熱は100℃~200℃以上の高温で行われますが、低温調理では55℃~65℃前後の温度帯を利用します。

肉が柔らかくなる科学的理由≫

なぜ低い温度だと美味しくなるのでしょうか? それは、お肉の主成分である「タンパク質」の変性温度に関係があります。

お肉のタンパク質は主に3つの要素で構成されていますが、特に重要なのが「アクチン」という成分です。

  • 50℃~60℃付近: 旨味成分が増し、肉が柔らかくなる。
  • 66℃以上: アクチンが変性し、肉の水分が抜けて硬く縮む。

つまり、「水分が抜けて硬くなる66℃を超えない温度」でじっくり火を通すことで、肉汁を閉じ込めたまま、驚くほど柔らかい仕上がりにすることができるのです。

低温調理のメリット・デメリット

低温調理を始める前に、良い点と注意すべき点を理解しておきましょう。

【メリット】

まずは低温調理のメリットから!

誰でも「プロの味」が出せる 

温度と時間さえ管理すれば、誰が作っても均一な仕上がりになります。火加減の難しさや、焼きムラの失敗がありません。

栄養と旨味を逃さない 

袋に入れて密閉して調理するため、お湯の中に旨味やビタミンが流出するのを防げます。

「ほったらかし」でOK 

セットしてしまえば、あとは待つだけ。その間に掃除や洗濯など、他の家事を進めることができます。

【デメリット】

低温調理には残念ながらデメリットもあります。

調理に時間がかかる

高温調理なら10分で終わるものが、低温調理では1時間~数時間かかります。「すぐ食べたい」時には向きません。

専用の器具が必要(推奨)

炊飯器の保温機能などで代用するレシピもありますが、温度管理が不安定になりがちです。安全性を考えると、専用の低温調理器の使用が強く推奨されます。

【重要】食中毒を防ぐための注意点とリスク管理

低温調理で最も気をつけなければならないのが「食中毒」です。 低温調理は「殺菌できるギリギリの温度」で行うため、一歩間違えると菌が繁殖する絶好の環境を作ってしまいます。

そのため、以下のルールを絶対に守っていただきたいと思います。

新鮮な肉を使用し、素手で触らない

消費期限内の新鮮な肉を使いましょう。

また、調理の際は使い捨て手袋を使用し、菌を袋の中に持ち込まないようにします。

温度と時間を厳守する(自己判断NG)

「もっとレアにしたいから温度を下げよう」といった自己判断は大変危険です。 厚生労働省の基準では、食肉の加熱条件として「中心温度75℃で1分以上、65℃で15分間以上(または同等の殺菌効果)など」が定められています。

  • 63℃ 30分以上
  • 60℃ 約1時間以上(理論値)

これより低い温度(例えば50℃台)で調理する場合や、肉に厚みがある場合は、さらに長い加熱時間が必要です。必ず信頼できるレシピの温度と時間を守ってください。

食品の芯の温度を測定するために、食品用の温度計は必須です。

調理後はすぐに食べるか、急冷する

菌が最も繁殖しやすい温度帯(20℃~50℃)に長く置かないことが重要です。調理後はすぐに食べるか、保存する場合は氷水で一気に冷やしてから冷蔵庫に入れましょう。

失敗しない!低温調理を成功させる3つのコツ

一度は試してもらいたい低温調理。ここでは低温調理を成功させるために重要な3つのコツをご紹介します!是非覚えておいてください。

フリーザーバッグの空気はしっかり抜く 

空気が残っていると熱伝導が悪くなり、加熱ムラの原因になります。「水圧法(ボウルに水を張り、沈めながら口を閉じる)」を使うと、家庭でも簡単に真空に近い状態を作れます。

肉は常温に戻してから 

冷蔵庫から出したばかりの冷たい肉を使うと、設定温度に達するまでに時間がかかり、安全基準を満たせない可能性があります。大きさにもよりますが、調理開始の30分前には冷蔵庫から出しておきましょう。

仕上げの「焼き目」で香ばしさをプラス

低温調理後の肉は見た目が白っぽく、メイラード反応(焦げ目の香ばしさ)がありません。食べる直前にフライパンで表面だけサッと強火で焼くと、見た目も香りも格段にアップします。

種類別!低温調理のおすすめ肉レシピ

ここからは、低温調理の良さが最大限に活きる、鶏・豚・牛のおすすめレシピをご紹介します。 ※使用する低温調理器によって多少の誤差が生じるため、機器の説明書も併せてご確認ください。

【鶏肉】コンビニ超え!究極の「しっとりサラダチキン」

パサつきがちな鶏むね肉が、低温調理なら驚くほどしっとり、シルクのような食感になります。ダイエット中の方にも最適です。

  • 設定温度:61℃
  • 設定時間:1時間10分~1時間30分(厚みによる)

【材料】

  • 鶏むね肉:1枚(約300g)
  • オリーブオイル:大さじ1
  • 塩:小さじ1/2
  • 砂糖:小さじ1/2(保水効果でより柔らかく)
  • お好みのハーブ(ローズマリーなど):適量

【作り方】

  1. 鶏むね肉の皮を取り除き、フォークで数箇所刺して味を染み込みやすくする。
  2. フリーザーバッグに全ての材料を入れ、よく揉み込む。
  3. 空気を抜いて口を閉じ、設定温度になったお湯に入れる。
  4. 時間が来たら取り出し、そのまま冷めるまで置いて味を馴染ませる。

【豚肉】お店レベルの柔らかさ「低温調理チャーシュー」

ラーメン屋さんのような、口の中でホロっと崩れるチャーシューも簡単に作れます。豚肩ロースブロックがおすすめです。

  • 設定温度:63℃
  • 設定時間:4時間

【材料】

  • 豚肩ロースブロック:400g
  • 醤油:大さじ4
  • 酒:大さじ2
  • みりん:大さじ2
  • 砂糖:大さじ1
  • 長ネギ(青い部分):1本分
  • 生姜スライス:2~3枚

【作り方】

  1. 小鍋で調味料(醤油・酒・みりん・砂糖)を一煮立ちさせ、冷ましておく。
  2. フリーザーバッグに豚肉、ネギ、生姜、冷ました調味料を入れる。
  3. 空気を抜いて密閉し、63℃で4時間加熱する。
  4. 加熱終了後、バッグごと氷水で急冷する(味が中まで染み込みます)。
  5. 食べる直前にスライスし、バーナーやフライパンで軽く炙ると絶品です。

【牛肉】記念日の主役!「失敗知らずのローストビーフ」

オーブンで作ると火入れが難しいローストビーフも、低温調理なら端から端まで美しいロゼ色に仕上がります。

  • 設定温度:57℃~58℃
  • 設定時間:3時間(厚さ4cm程度の場合)

【材料】

  • 牛モモブロック:400g
  • 塩:小さじ1
  • 黒こしょう:適量
  • オリーブオイル:大さじ1
  • (ソース用)玉ねぎすりおろし、醤油、バルサミコ酢など

【作り方】

  1. 牛肉全体に塩・こしょうを強めに振り、オリーブオイルを馴染ませる。
  2. フリーザーバッグに入れて空気を抜き、57℃~58℃で3時間加熱する。
  3. 加熱後、バッグから取り出し、水分をペーパーで拭き取る。
  4. 熱したフライパンで表面全体に焼き色をつける(各面15秒~30秒程度。中まで火を通さないよう注意)。
  5. アルミホイルに包んで30分ほど休ませる(肉汁を落ち着かせるため)。
  6. 繊維を断ち切るように薄くスライスして完成。

低温調器具が無い時の料理方法

低温調理器を持っていない方でも、家にある道具を使って「低温調理風」の仕上げにすることは可能です。ただし、専用器具に比べると温度管理が難しいため、より慎重な対応が求められます。

家事代行のプロが教える、「炊飯器」と「鍋」を使った代用方法と、その際の注意点を解説します。

炊飯器の「保温機能」を使う方法

最も手軽で温度が安定しやすいのが、炊飯器の保温機能を利用する方法です。多くの炊飯器の保温温度は60℃〜75℃に設定されており、低温調理に適した環境を作りやすいのが特徴です。

手順

  1. 下準備: お肉をフリーザーバッグに入れ、空気をしっかり抜いて密閉します(基本の低温調理と同じ)。
  2. お湯の準備: 沸騰したお湯と水を混ぜ、65℃〜70℃程度のお湯を作ります。
  3. セット: 炊飯器の内釜にバッグを入れ、お湯を注ぎます。バッグが浮かないよう、耐熱のお皿を重石にすると良いでしょう。
  4. 保温開始: 「保温ボタン」を押し、レシピに準じた時間(1時間〜2時間程度)放置します。※「炊飯」ボタンは絶対に押さないでください。

注意点≫

  • 温度を確認する

お使いの炊飯器の保温温度が何度か、説明書やメーカーサイトで必ず確認してください。75℃を超えると肉が硬くなり、60℃を下回ると食中毒のリスクが高まります。

  • 入れすぎない

 肉の量が多いとお湯の温度が急激に下がるため、少量ずつ行うのが成功のコツです。

お鍋と温度計を使う方法

厚手の鍋(ストウブやル・クルーゼなどの保温性が高いもの)があれば、コンロの火を微調整しながら調理可能です。

手順

  1. お湯を沸かす: 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、目標温度(例:63℃)より少し高めの65℃くらいにします。
  2. バッグを入れる: お肉を入れたバッグを沈めます。
  3. 温度をキープ: 蓋をして放置します。温度計でこまめにチェックし、温度が下がってきたらごく弱火にかけるか、差し湯をして温度を一定に保ちます。

注意点

  • 鍋底に直接触れさせない: 鍋底は火に近く高温になるため、バッグが溶けたり肉に火が通り過ぎたりします。耐熱皿を鍋底に沈め、その上にバッグを置くようにしてください。

専用器具がない場合の「絶対ルール」

専用器具(低温調理器)は1秒単位・0.1℃単位で管理してくれますが、代用方法ではどうしても温度が変動します。安全のために以下の2点を徹底してください。

  1. 中心温度計を活用する

「中まで火が通ったかな?」と不安なまま食べるのが一番危険です。安価なもので構いませんので、肉の中心温度を測れるデジタル温度計を用意しましょう。「中心部が63℃で30分」と同等の加熱ができているか確認するのが最も確実です。

  1. 厚すぎる肉は避ける

代用方法の場合、熱伝導が不安定になりがちです。厚さ5cmを超えるような巨大なブロック肉は避け、2〜3cm程度の厚みのものから挑戦することをお勧めします。

プロからのアドバイス

炊飯器や鍋での代用は、いわば「マニュアル運転」です。もし低温調理の美味しさに目覚め、週に何度も作りたいと感じたら、1万円前後で購入できるエントリーモデルの低温調理器を導入することをお勧めします。

「安全」と「放置できる気楽さ」が手に入るため、家事の負担を減らしながらプロの味を楽しむには最高の投資になりますよ。

「自分でやるのはやっぱり不安…」という方は 家事代行サービスにお任せください。プロのスタッフが、ご自宅の器具を正しく使い、安全でおいしい低温調理料理を仕上げます。

低温調理は「待つ時間」さえあれば、誰でも極上の肉料理を楽しめる素晴らしい調理法です。しかし、「平日は下準備をする時間すらない」「衛生管理に自信がない」という方もいらっしゃるかもしれません。

私たち家事代行スタッフは、料理の経験豊富なプロフェッショナルです。 低温調理用の食材の買い出しから、丁寧な下処理、調味液への漬け込み(下味冷凍)まで、お客様のご要望に合わせて代行いたします。

  • 「週末に低温調理を楽しみたいから、金曜日に下準備をしておいてほしい」
  • 「低温調理したお肉に合う副菜を作り置きしてほしい」

といったリクエストも大歓迎です。

安全で美味しいお肉料理を食卓に並べ、家族の笑顔を増やすために。 手間のかかる部分はプロに任せて、美味しい時間だけを味わってみませんか?

家事代行のご相談・お見積もりは無料です。 あなたのご家庭に合わせた「料理プラン」をご提案いたします。家事代行サービス『パパット!ままっと』へのお問い合わせはコチラから。

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